スイスアルプス野外実習 2007年度実習報告
−−北海道大学環境科学院 地球雪氷学実習−−
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実習日誌 (9/1-15)
出発〜Zurich
9/3
Jungfraujoch
9/4
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9/5
Rhone氷河
9/7
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9/10
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スイス実習・9/9
ローヌ氷河4日目
昨日、ほぼ全ての観測基材を撤収したため今日は氷河湖を見に行くグループと氷河に向 かって右側の尾根を登るグループに分かれて朝から活動開始。ローヌ氷河での最終日も天 候に恵まれ気分は爽快。
ローヌ氷河の下部にある氷河湖です。カービングにより崩れ落ちた氷河が湖に浮いています。氷河湖の形成が氷河の減少に拍車をかけているという考えも納得できる光景でした。
氷河湖付近の岩石を観察中。氷河により岩石が削られた傷がまだ新しく、氷河の岩を削る力の大きさを実感しました。氷河の低層に取り込まれた小石や砂が途方も無い時間をかけてゆっくりゆっくり削るのです。周辺の岩に残る傷の方向はどれも同じで、谷に向かっていました。そう、これは氷河の流動方向を示した貴重な証拠なのです。
氷河湖組も尾根に登ることに。険しい岩場が続く。
尾根の上から見るローヌ氷河。これがローヌ氷河の消耗域。これでも氷河下流側の一部を見ているだけに過ぎません。氷河の大きさ、美しさに感動です。
朝一番で尾根に登ったグループと合流し、昼ごはんを食べました。パンとハム、チーズとチョコレートの昼ごはんにも慣れてきました。その上、なんと今日は絶景という最高のスパイス付きでした。ご飯が進む進む。
なにやら空き缶が・・・。こんなに空けたのですか!!
ローヌ氷河に別れを告げて次なる目的地ランダへ移動です。途中列車の中からランダの崩落跡が見ることが出来ました。とてつもなく大きな規模の崩落現場に唖然。
ランダの大崩落は1991年4月18日と5月9日に発生し二度の崩落により、約3000万m3の土砂が谷に崩れ落ちました。この谷には、観光の要所であるツェルマットと首都圏を結ぶ鉄道や道路が通っていました。この大規模な土砂崩れにより交通の主要ルートが切断されてしまいました。幸い死者は出なかったのですが、谷を流れる川を土砂がせき止めてしまい、付近の村が浸水するという被害が起きました。その上、復旧にはかなりの時間と労力を要したそうです。
山の上に見えるのはHanging Glacier(懸垂氷河)です。今にも崩れ落ちていそうです。たびたび崩れ落ちて鉄道や道路に被害を与えることがあるそうです。このため、氷河の観測は重要な役割を果たしています。
やっとのことで宿に到着。この日の夕食は本場のチーズフォンデューでした。チーズを白ワインで溶かしてあるそうです。その昔、料理の余り物であったチーズとパンを美味しく食べる方法としてチーズフォンデューが生まれたそうです。白ワインの香りが食欲をそそります。
一服休憩。見つめる先には何があるのでしょう。明日への希望が見えるのかな。
文責 永井 元規
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