スイスアルプス野外実習 2007年度実習報告
−−北海道大学環境科学院 地球雪氷学実習−−
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スイス実習・9/7

ローヌ氷河2日目

さあ、いよいよ今日7日からの3日間は本実習のハイライトである観測実習。この写真は9日に氷河の右岸から撮ったローヌ氷河の姿…本当に美しいですね。


これはホテルから出る時に撮った永井君のザック。いろいろ付いています。ストック、カラビナ、スリング。ハーネスはすでに装着済み。そしてバッグの中にはアイゼンが入っています。最強装備です。

左の青いジャケットは高橋さんですが、その高橋さんが重そうに持ち運んでいるのは測定器具が入っているソリ。これがなかなか重かった。本来は雪氷上を引くものなので取っ手なども付いていなく…地味ではありますが結構な重労働(?)でした。


これはアイゼンを装着しているところ。アイゼンを装着することで、滑ると危険な氷河上をより安全に移動することができるようになります。しかし、アイゼンの鋭い刃を自分の足の裾に引っかけてしまうこともあるようです。やはり絶対に気を抜くことはできません。

このあと、私たち8人はETHのアンドレアス、末吉さんの氷河の深さや底地形のデータを取る班、杉山さんの氷河流動を測定する班、つたきさんの気象測器の班の3班に分かれ観測を開始しました。



午前中、私はアンドレアス、末吉さんの班においてローヌ氷河の特定の横断地点における氷河の深さ、底地形を把握するためのデータを採取する班で行動しました。観測方法としては、トランスミッター(発信機)とレシーバー(受信機)、そしてGPSを用いて、トランスミッターが発信したレーザーが氷河の底や側面の岩表面から反射してくるのを発信機の15m横にあるレシーバーが受信し、その伝達速度から深さを読み取る、というものです。そして、GPSによって測定している座標も同時にとることでローヌ氷河のどの地点の底地形を測ったかも記録しました。写真はトランスミッターです。

こちらがレシーバー。
これは今アンドレアスがレシーバーから観測記録を吸い取っている図。

GPSで人工衛星を探しているの図。

GPSを持って座標を定めているの図。

午前の部に一区切りをつけ、昼食の時間です。私はこの時が人生の中で一番幸せです。



午後は杉山さんのチームで氷河流動の測定に加わりました。この計測方法は、今回の場合氷河の左岸GPSの固定点が設置してあり、写真の場所は氷河上のGPSがある点、つまり移動点で、この固定点、移動点2点間の相対的な距離から氷河の流動速度を割り出すというものです。写真は杉山さんがトランシーバーで固定点にいるつたきさんと観測準備の打ち合わせをしているところ。

観測中…

観測中…



流動の観測を終え少し下りたところで今度はボウホールを使った氷河の深さの測定を的場さんの指導のもと行いました。

測定器具を各々が背負いながら氷河から降りたのですが、この写真は杉山さん曰くソーラーマン(久野君がソーラーパネルをザックに取り付けているところ)の画。



氷河の後退を促進していると考えられている氷河先端の湖です。実際に現地で氷河を観測し、地球温暖化の影響の一端をまざまざと見せつけられている気分になりました。



観測実習1日目終了です。私(右)は、露骨すぎるくらいに疲れています。皆さん今日1日お疲れ様でした。本当にたくさんの素晴らしい実習経験をすることができました。
文責  小林 健一

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